火災の発生と火の広まり(Fire & Heat Spreading)

世界規準のスプリンクラー (Global Standard Sprinkler)

対流(Convection)

対流とは、火災の場合熱エネルギーが空間の中で自然に移動する現象。熱を帯びた気体は熱を帯びていないものに対して軽くなり、上昇する。天井や障害物があればそれにぶつかって横に進行方向を変える。

この気体の流れによって熱や炎も共に移動する。

この移動は熱の大きさにもよるが他の輻射や伝導よりも早い。この熱の動きに合わせ、天井面に火災感知器や、スプリンクラー(Sprinkler)を設置しておくと火災への対応が早く効果的に始められる。

 

輻射   (radiation)

温度差がある2物体が互いに離れているとき、その表面間の放射によるエネルギーの交換をいう。この結果、高温の物体の温度が下がり、低温の物体の温度が上昇する。

離れた位置からでもストーブの方に手をかざすと方角に関わらず”熱”を感じる。この空間を通過する熱エネルギーの移動を輻射(輻射熱)と言う。

図のように燃えている物体と距離があったとしても、燃焼の熱は輻射熱として伝わり、発火温度に到達すると新たな燃焼が始まる。

伝導 (conduction)

固体の内部で熱が温度の高い部分から低い部分へと流れていく現象をいう。熱はエネルギーの形態の一つで、熱が流出することによってその部分の温度が下がり、流入によって温度が上がる。物体の中で温度差があると、高温部から低温部へと熱の移動がおこり、全部が同じ温度になったところで移動が止まる。

上の図では防火シャッター(Fire Shutter)が火災側の熱を反対側に伝えきった時点で反対側の表面より輻射(放射)が始まる。